推理小説のトリックは重視しない
小学校の図書館で江戸川乱歩の怪人二十面相に出会ってから本が好きになり、親が心配するくらいに読書に夢中になった。
読む本は推理小説が中心で、それ以外の本をちょこちょこと読む。
推理小説は、江戸川乱歩に始まり、小学生の頃は赤川次郎をよく読んでいた気がする。三毛猫ホームズとか。(最近の様子を検索したら、かなり太っててびっくりした)
国内の推理小説は結構読み漁ったと思う。
クリスティやクイーンとか、有名どころが中心だが、外国物もそこそこ読んだ。
とはいえ、犯人や動機が知りたいという欲求で読み進めるので、そんなに深く読み込んだりはしない。
きちんとした推理小説ファンから見れば「えー、それ?」と思われるに違いないが、いつか同感してくれる誰かが、このページを見てくれることを期待して、私が好きな本を3冊挙げる。
本当にやばい。ラスト付近の謎解き部分がぶっ飛び過ぎている。「それ本気で言ってんの?」としか言いようがない。
大富豪一族が、どんどこ殺されていくのだが、それを名探偵が解決するという話。
最初から出てくる名探偵と、後から出てくる名探偵がいて、推理合戦の様相もあるのだが、ただただ推理して勝負がつく、というだけでは終わらない。
ネットを見たら「タイトルでネタバレしている」という評価を見たのだが、遜色ないマジだった。
内容もタイトルもイカれてるとしか思えないが、妙な中毒性があって、麻耶雄嵩はこれが初めてだったが、この後ほぼ全ての本を買ってしまった。
●城平京「名探偵に薔薇を」
旅行に行く時は、本を大量に持っていくのだが、ちょうど本屋で見て表紙買いしたものだった。
全然期待せずに読んだら、めちゃめちゃ面白くて驚いた。
特殊な凶器が出てきて、現実味の薄いトリックではあるのだが、構成とストーリーがとってもいい。
2話構成になっているが、両方ともほぼ同じ登場人物が出てきて、「小人地獄」にまつわる話になっている。
暗い過去を抱えつつも名探偵であり続ける主人公、それを支える良い友人、誰もが守りたくなる病弱な美少女、それに「小人地獄」という謎。
それらが良い具合に配置されていて、どんでん返しもあり、という一冊でたくさんおいしい思いができる。
でも、この作者はこれ以外では本格物を書いてないので、それが残念。
【Amazonあらすじから】
「怪文書『メルヘン小人地獄』がマスコミ各社に届いた。その創作童話ではハンナ、ニコラス、フローラが順々に殺される。やがて、メルヘンをなぞったように血祭りにあげられた死体が発見され、現場には「ハンナはつるそう」の文字が……。不敵な犯人に立ち向かう、名探偵の推理は如何に?」
●宮部みゆき「魔術はささやく」
超メジャー作家だが、たぶん世間的にはこれじゃなくて、「火車」とか「模倣犯」とかが挙げられると思う。
いま読むと古臭い&荒さの目立つ作品で、トリックとしては、ダメだと思う。犯人も「えっ、誰?」という感じだし。
ただ、最後あたりに、犯人から探偵役の少年に向けたメッセージがあるのだが、私はこれが好きで、読んだ後の満足感がすごいある。
宮部みゆきは、若い頃によく読んでいたが、だんだん文章が肌に合わなくなって、読まなくなってしまった。それでも、これだけは特別だと思う作品。